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『96記事目:『ミストバーン』キャラクター評論■人気漫画『ダイの大冒険』ヒュンケルとの忌まわしい因縁を持つ、魔王軍の最高幹部!!!その不気味さ・圧倒的強さでダイたちを苦しめたゾ! #ドラクエ・ブログ』
『ミストバーン』
漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」に登場する敵キャラクターの1人である。大魔王バーン率いる魔王軍六大魔団長の一人で、バーンの側近中の側近(魔王軍結成前から彼に仕えていた古参メンバー)だ。ガストや「さまようよろい」等といったモンスターで構成される魔影軍団を統率していた。
だが後に超魔生物となり親衛騎団王になったハドラーに委任される形で魔影参謀から魔軍司令の座に就くこととなる。アバンへの復讐に失敗して川に落ちた少年時代のヒュンケルを拾い、暗黒闘気の使い方を教えた闇の師匠でもあるのだ。普段は自らの武器にも使う暗黒闘気を闇の衣として身に纏い、頑なに素顔と正体をひた隠しにする。
自身を鍛えて強くなった相手には敵味方を問わず敬意を払い尊敬している。特に超魔生物となった後のハドラーに対してはその依頼を快く引き受けるなど強い敬意を抱いた。逆に、他人の力を踏み台にする者・あるいは卑劣漢(主にザボエラとマキシマム)には軽蔑を露わにしたのだった。
もっとも、何事にもイレギュラーは存在するもので、卑怯者の代表格というべきキルバーンとはなぜか格段に仲が良い。キルバーンは自身の力も強く、度胸も座っているため、他人の力を踏み台にするだけの卑怯者の枠には収まらないし、ミストバーン自身マァムの体を乗っ取ったりブロキーナを盾にするといった人質に取るような卑怯な戦法も厭わないので、あくまで心身が強い事(他人任せではないこと)を尊ぶ性分という色合いが強い。
普段は冷静沈着であり、ほとんど喋らないキャラという設定もあり取り乱すことが無さそうに見える。しかし鬼岩城が撃破された際には取り乱して力を解放しようとし、キルバーンに止められるなど、感情的な側面もみえる。しかし、彼には絶対の価値基準があり、それこそが「大魔王さまのお言葉はすべてに優先する」という言葉に代表されるバーンへの忠誠心だ。
前記したように強い敬意すら抱いているハドラーをも躊躇うことなく切り捨てることとなる。後にザボエラがハドラーを貶した際には怒りをあらわにしていることからしても、決して無感情に切り捨てたのではないのだ。しかも、この時のザボエラはバーンを救出した功労者であり、他方のハドラーはバーンに反旗を翻しているのだ。
こうした自身の価値観をもバーンのためならば無視することができるのがミストバーンの忠誠心だ。もっとも、ハドラーを切り捨てて戻った後に憤りの念は抱かずにはいられなかったのだが、見方を変えればそれは自らの強い決断力の表れと言える。本来の姿を見せるのに大魔王バーンの許可が必要、強大な力と威圧感、傷一つ負わない無敵の体など、圧倒的大物感を醸し出す人物である。
なお彼の素顔は美形の男性魔族なのだ。ほとんど喋らないキャラという設定であり一度口を閉ざしたら数十年は開かない、キルバーン曰く全くキミときたら必要がないと百年でも二百年でもだんまりなんだからといわれる程である。ロン・ベルクやヒュンケル等もミストバーンが口数多く喋るシーンでは驚く描写など数多く存在する。
しかし作中では初登場シーンからして喋ってるため、あまり無口な印象はなく、ハドラーが終始無言のはずの影の男がずいぶんおしゃべりになってきおったな…と思うほどだ。過去の回想シーンでは喋るシーンはほぼないためそれだけ不確定な事態に見舞われたということなのだろうか、、、、、、
声を演じるのは難波圭一(ポップとのダブルロール)であり、最終決戦でアバンと同じく「同じ声優のキャラ同士の戦い」を行った(後述するが、真・大魔王バーンの肉声は難波圭一ということになるぞ)。しかし、アニメ版はテランでのバラン一戦目で終わっているため、実際に一人二役の演技は見られないのだ。
暗黒闘気を用いた技を使用し、闘魔傀儡掌や闘魔滅砕陣といった相手を縛り付ける技から、ビュートデストリンガーといった相手を物理的に攻撃する技を有する。また、魔法を増幅して跳ね返す能力を持ち、ポップのベギラマをベギラゴン級に見事に跳ね返した。
接近戦ではデストリンガー・ブレードを使用して、ロン・ベルクと互角に戦ったぞ。そして、切り札として闘魔最終掌を持ち、完全には決まらなかったがオリハルコンを粉々に砕くほどの威力を見せたのだった。闇の衣を解いた本来の姿では暗黒闘気の技を使用せず、肉弾戦でしか戦っていないのだ。
しかし、とっさ的にではあるがフェニックスウィングを使用してメドローアを弾き飛ばしているぞ。
その正体は意思を持った暗黒闘気の集合体「ミスト」である。魔界で飽くことなく繰り返される戦いの中で、死してもなお戦おうとする壮絶な意思(怨念?)から生まれたモンスターで、「あやしいかげ」やシャドーといったモンスター達の王とも呼ぶべき存在なのである。正体が拍子抜けという意見もあるが、まさしく魔影軍団を率いる立場には相応しいものと言えると思う。
実体を持たず、他者の肉体に憑依することで活動するのだ。憑依する相手の力量によっては相手の意思を無視して魂を封印し、無理やり憑依することも可能なのである。実体を得たミストは、憑依した身体の痛みを感じないため、肉体のリミッターを外して驚異的な力を発揮でき、強大な暗黒闘気をその身に宿すヒュンケルに憑依した際には本来なら天敵の筈の光の闘気すら防げるのだ。
その半面憑依された肉体は無理な運動によって損傷し、暗黒闘気に蝕まれて黒く変色してしまうぞ。これらの反動に耐えられるのは時を止められたバーンの肉体のみなのだ。また、自身の分身としてシャドーを産み出す能力を持つぞ。
男性魔族の姿は、ミストが「バーンの若さと力のみを残した肉体」=バーンの抜け殻に纏わりつくようにして憑依したものであり、ミストバーンという名前も「大魔王バーンを覆い隠す影(ミスト)のバーン」、つまりバーンの分身、代理人という意味なのである。バーンと分離している肉体は本体と違い、角がないことが差異だ。
また、キルバーンの素性を周りに隠すための「主人と同じバーンの名前を貰った腹心の部下(幹部)」、という表向きの理由を作るための名でもあるのだ。普段はバーンの肉体を外側から操っているだけだが、緊急時には肉体に入り込み、それを操る事により超絶的パワーを発揮するぞ。
たとえば、オリハルコン戦士を破壊する点においても、ヒュンケルならば、「闘気を用いて戦った上で最高のタイミングでのカウンターを用いて初めて成功する」ようなものを、彼は「単純になんの小細工も無くしかも力任せで破壊」してのけるほどである。前述の通り実体を持たず、自力で戦闘のできないミストは、他の生物に憑依して傀儡として操るという他人頼みな方法でしか強くなる事ができず、彼はそんな自分の力を忌み嫌っていたのだった。
自らの力、鍛練により強くなる事に恋焦がれており、自身を鍛えて強くなった相手を尊敬するのはこのためなのである。大魔王バーンはそんな彼の能力に着目し、彼にバーンの若い肉体を保持し守護する任務を与えたのだった。自分にしかできない任務と生きる理由を与えてくれたバーンには絶対的な忠誠を誓っており、魔王軍の中でも指折りの忠誠心を持つのだ。
素顔を見せることや会話することを極端に避けているのは、彼の正体がバーンの肉体であることを看過されないためなのである。彼が素顔を見せたり不特定多数の者に自らの声を聞かせたりするのは、相手を絶対に生還させないと誓った時であり、言わば死刑宣告と同等の意味を持つのだ。
それならばミスト自身の声で喋った方が身バレしないと思われるが、ミスト自身の声で喋らない理由は不明である。また、バーンの許可なく戦闘しないのも同じ理由だ。カール王国を滅ぼせなかったり、バルジ島で闘魔傀儡掌をダイに使った以外は【さまようよろい】に任せきりだったのもこのためである。
並外れて強靭な肉体でこそ繰り出せるバーンの技の1つ・フェニックスウィングを使うこともできるが、これの使用も勿論タブーなのだ。実際にヒュンケルに老バーンと同じ口調や発音、フェニックスウィングによって正体を看過されてしまっった。バーンから預かった肉体には彼によって凍れる時間の秘法と呼ばれる魔術が掛けられており、いわば常にアストロンが掛かっている状態なのだ。
作中で判明してる限りではメドローア以外の攻撃は全て無効にできるという作中有数の防御力を持つぞ。その唯一の弱点であるメドローアもフェニックスウィングで増幅して跳ね返すことができるのだ。そのため、闇の衣を剥ぎ取った状態の自身を「魔王軍最強」と自称していた。
作品終盤、ダイとレオナを除くダイパーティー一行との決戦が繰り広げられる中、バーンに肉体を返還した彼は新たな依代としてヒュンケルに憑依を試みるが。。。。。ミストバーンがヒュンケルを拾い上げ、彼の師を買って出たのは、肉体をバーンに返還した際に憑依するスペアボディを用意するためだった、、、
そして完全に我が物にするため魂を砕こうとするも、事前にミストの目論見を察知していたヒュンケルが魂に収束し溜め込んでいた大量の光の闘気に呑み込まれて消滅した。ある意味、自らが鍛えぬいた肉体の中で最期を迎えるという自分の願い通りの散り様となってしまった。
それはヒュンケルの忌まわしい因縁の終わりをも意味していたのだった。ちなみにヒュンケルに憑依した状態のミストバーンの暗黒闘気は若バーンに憑依していた以上と作中でいわれている程だ。具体的に何をしたのかは不明だが、ヒュンケルを依代とするために調整していた目的があったのかもしれない。
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